東京オリンピック銘柄としてにぎわっている大成建設。先日は、人材採用の面でも業界のリーダーらしい積極策を報じられていました。
中途採用、来年度110人=15年春新卒は2割増-大成建設社長 | 時事ドットコム
大手建設会社、大成建設の山内隆司社長はインタビューに応じ、建設需要の拡大に対応するため、2014年度に過去最高となる110人の中途採用を計画していることを明らかにした。13年度は前年度比6割増の95人を中途採用したが、14年度はさらに増やし、即戦力となる人材の確保を急ぐ。15年春入社の新卒採用は、14年春比23%増の275人に引き上げる。
採用したら30年は面倒をみなければならないという時代ではないですが、やはり採用には責任が伴うと考えるのが日本企業の経営者の常。
昨今の人手不足(技術者・職人)のなかでも、息の長い発注が続くとは限らない(むしろ限定的)との考えから採用を手控える風潮が強いのが特にこの建設業界かと思います。
そんな中、スーパーゼネコンといわれる大手5社の中でもひときわ気を吐いているのが大成建設です。
大成建設を含むスーパーゼネコンって何
一般的に国内のゼネコンの中で、完成工事高上位5社をスーパーゼネコンと呼んでいます。その中でもどこを業界の盟主とするかは切り口によって違いますが、どこも堂々たる大手の一角であることは間違いないと思います。
- 大成建設
- 清水建設
- 鹿島建設
- 大林組
- 竹中工務店
大成建設がユニットバスを手がけた背景
さきの1964年開催の東京オリンピック時には、東海道新幹線の開通、観光客を迎え入れるための一流ホテルの建設、首都高の開設などさまざまなインフラ整備が一時に行われ、現在と同じように労務や資材がタイトになっていた。
そんな中で大成建設が受注したのがホテルニューオータニでした。「代々木の近くに外国人観光客向けの巨大ホテルを」というコンセプトのホテルニューオータニは17階建て高さ70mオーバーという当時としては最先端の高層建築物でした。人手不足のなか、コストと時間をかけずになんとか施工できないかと大成建設が投入したいくつかの新技術のひとつがユニットバスだったのです。
ユニットバスとは?
今ではごく当り前の工法ですが、当時のそれまでの建築現場ではその場でタイルを張り、バスタブを設置しと一つ一つの工程を積み重ねていたのです。
それらの積み重ねの手作業を、工場で大量生産したユニットを据え付けていく方式に代え、浴室を作ったのがこのホテルニューオータニの現場だったのです。衛生陶器の会社との協力もあったようですが、実は世界で最初のユニットバスだったようです。建築を工業化したハシリともいえます。
このあたりのことについては、TOTOのウェブサイトが詳しいですね。
ユニットバスルームの発祥は? | ~水まわりのまめ知識~
最近の大成建設の動き
有名な案件としては、やはりトルコのボスポラス海峡横断地下鉄でしょう。深海誠氏が監督されたCMでも有名ですね(以下にyoutubeを貼っておきます)
10月にトルコのイスタンブールで行われたトンネル開通式典には安倍首相も駆けつけたことで話題になりました。
このアジアとヨーロッパの掛け橋ともいえる海峡横断トンネル構想は、オスマントルコ時代の1860年に設計図が描かれるなど、トルコ国民にとっては夢のプロジェクトであったと言われています。
とくに数年前にゼネコン各社は海外事業で大やけどを負っています。ドバイショックなどは記憶に新しいですね。
そんな中でやり遂げたボスポラス海峡横断地下鉄は、しかも超がつくほど困難な案件です。他社が二の足を踏んだ同案件を受注し見事に完成にこぎつけることができたのは建設技術のパイオニアである大成建設ならではないでしょうか。
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グッチはこう思う
上にも書きましたが、建設業界における人手不足が叫ばれています。しかし、人手が足りないのは別に建設業界だけではないのです。外食産業でも介護の分野でも同じだと思います。
賃金の問題も大きなモノがあると思います。その他の待遇面もそうですね。ただ、もうひとつの要因としてこの会社で働いてみたいというイメージのようなモノもあると思います。
新しいことにチャレンジしようという大成建設のスピリッツをわたしはとても好ましく思っていますし、きっと業界のイメージアップにも貢献するのではないかと期待しております。
NISAをきっかけに株式投資をはじめられる方も多いと思います。昔からあるバスケット買いのひとつのパターンとして証券コードが01である銘柄を買うというものがあります。
大成建設の証券コードは1801です。建設業界の代表銘柄です。
<参考リンク>
大成建設
創業140周年記念サイト | 大成建設